認定経営革新等支援機関って何?

中小企業が経営課題を解決したい場合に「認定経営革新等支援機関」を頼る方法があります。

本日は、「認定経営革新等支援機関」がどういったもので、どんな活用方法があるのか、概要をご紹介したいと思います。

認定経営革新等支援機関とは

中小企業や個人事業主の中には、「業績を向上させたい」「経営の安定化を図りたい」と思っていても、自社の財務内容や経営状況を客観的に把握(分析)できておらず、「何が原因で儲からないのかわからない」「何が原因で業績が悪化しているのかわからない」といった状況に陥っている事業者がいます。

こうした事業者の課題を解決することができる人・機関を、企業の財務や税務に関する専門的な知識・能力を有し、また事業計画の策定等の業務について一定の経験年数を持っている専門家として国が認定したものが「認定経営革新等支援機関」です。

認定経営革新等支援機関が提供する主な支援内容

認定経営革新等支援機関が提供する支援内容は、中小企業庁のHPに案内が掲載されていますが、ここでは当該資料から抜粋して紹介します。

1.経営革新等支援及びモニタリング支援

  • 経営の「見える化」支援(事業計画策定の前提となる財務状況、事業の将来性、キャッシュフロー見通しの調査・分析)
  • 事業計画の策定支援
  • 事業計画の実行支援
  • 事業計画のモニタリング支援
  • 中小企業・小規模事業者への会計の定着支援

2.経営改善(売上増等)や創業、新事業展開、事業再生等の課題に係る指導及び助言

3.補助金、融資制度等を活用する中小企業・小規模事業者の事業計画等策定支援やフォローアップ等

認定経営革新等支援機関による支援を受けることにより得られる主なメリット

1.経営改善計画策定に関して国の補助が受けられる

認定経営革新等支援機関が経営改善計画の策定を支援した場合、認定経営革新等支援機関に対して支払う計画策定費用及びフォローアップ費用の3 分の2(上限200 万円まで)を国が補助してくれます。

例えば、事業計画の策定支援を認定経営革新等支援機関である税理士に依頼し、そのコンサル費用が30万円であった場合には20万円の補助が受けられ、実質10万円の負担で支援を受けることが可能です。

2.信用保証協会の保証料率を減らすことができる(経営力強化保証制度)

認定経営革新等支援機関が支援している場合には、信用保証協会の「経営力強化保証制度」という信用保証を受けることができます。この保証制度は保証料率が▲0.2%で受けられるというメリットがあります。

例えば3,000万円の借入を行った場合で、保証料率が▲0.2%下がれば初年度だけで約6万円の費用削減になりますので、上記1.と合わせれば事業計画策定に係る費用をさらに圧縮できることとなります。

3.一定の設備投資に関して税務上の優遇が受けられる

認定経営革新等支援機関等による経営改善に関する指導に伴って一定の条件のもと設備を取得した場合(下記)に、法人税法上、取得価額の30%特別償却又は7%税額控除ができます。

  • 平成31年3月31日までに取得した資産で、経営改善に資するもの。
    ・器具・備品(ショーケース、看板、レジスター等): 1台30万円以上
    ・建物附属設備(空調施設、昇降機設備、電気設備、店舗内装等): 1台60万円以上
  • 認定経営革新等支援機関等から、経営の改善に関する指導及び助言を受けた旨を明らかにする書類の交付を受けていること

上記以外にも様々な優遇を受けられます

認定経営革新等支援機関の支援を受けることで利用できる優遇措置は上記がすべてではありません。例えば、認定経営革新等支援機関の支援を受けていることを条件とした日本政策金融公庫の制度融資があります。

また、平成29年5月より、「早期経営改善計画」に対しても、計画策定に際して認定経営革新等支援機関等に支払う費用の3分の2の補助を受けられる仕組みができました。「早期経営改善計画」は従来の経営改善計画の要約版のような位置づけであり、小規模事業者でも作成しやすい計画となっています。

中小企業者が経営力を強化する方法の一つとして、「認定経営革新等支援機関の利用」を選択肢に入れておくとよいでしょう。