当座貸越のメリット・デメリット

本日は当座貸越のメリット・デメリットについて紹介します。

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当座貸越とは

銀行に当座預金を開設していることを前提として、銀行と当座貸越契約という契約を締結し、借入を行う方法です。

当座貸越契約の中で、対象期間と借入限度額を設定します。この限度額の範囲内であれば、企業はいつでも融資を受けることができます。

対象期間は1年が一般的であり、借入限度額や金利などの融資条件は、企業の規模や財務状態、担保の状況により決定されます。

なお、借入金利については、変動金利(短期プライムレート+α、TIBOR+α)が一般的です。

※短期プライムレートとは、銀行ごとに設定している基準となる金利です。またTIBORとは、東京銀行間取引金利をいい、日本国内の銀行間で資金取引を行う際に使用される金利です。これらの金利に貸出先ごとの財務状態を考慮した貸倒リスク(銀行が判断する倒産リスク)を金利に上乗せした金利が出来上がり金利となります。

 

当座貸越のメリット

 必要なときに、必要な分だけ借り入れることができる

当座貸越の最大の特徴は、限度額の枠内であれば自由な金額とタイミングで借入が行える点にあります。必要な分を必要な時間だけ借入れることができるということは、手元の資金を必要最小限に抑えておいて、必要な時に借入を実施するという経営を実現できる点です。資金に余裕があれば借りなければよいので、借入利息も最小限に抑えることができます。

融資の申し込みが簡単

融資を受けたいときには、専用の伝票1枚を銀行の窓口で記載し届出印を押印すれば、融資が実行されるため、融資のスピードが速く手間がかかりません。当座貸越契約(限度額)の融資審査に通れば、通常1年間はこのような簡単な方法で融資を受けることが可能です。

当座貸越のデメリット

 審査が通りにくい

銀行の立場から見ると、当座貸越は融資先に限度額までの自由な借入を認めることを意味します。また契約期間内は限度額の満額を借り続けることができるため、通常1年間の契約期間内は、銀行は融資先に返済を求めないということを意味します。

したがって、銀行としては、財務状況が良く、過去の融資取引での実績がある取引でないと、当座貸越には応じてもらえません。

証書貸付、手形貸付、手形割引、当座貸越を比較すると、審査の通りやすさは

手形割引>手形貸付>証書貸付>当座貸越 の順になります(当座貸越が一番通りにくい)。

 どんなケースで当座貸越が利用されているか

当座貸越は柔軟に借り入れが行えるという特性があるため、運転資金に対する借入として用いられます。